
フリーターから正社員を目指す
フリーターから正社員になる方法を解説。アルバイトの経験をどうやって効果的にアピールする?
- STEP1正社員への3つの道
- STEP2履歴書でやる気をアピールする
- STEP3面接官の心をつかむ自己PR
フリーターと正社員、その違いは?
アルバイトやパートで生計を立てる「フリーター」。その数は2012年の時点で180万人に上ります(※1)。
フリーターという働き方は、正社員と比較すると時間を拘束されず自由度が高いというメリットがある一方、収入や社会保障などは正社員に及びません。
例えば、正社員の平均年収は、25歳で329万円(※2)。30代、40代とキャリアに応じて年収もアップし、生涯賃金は平均で2億5千万円になります。一方でフリーターの年収は一日8時間、週休2日で正社員並みに働いても約200万円。勤続年数が増えても年収アップの可能性は低く、生涯賃金は約7600万円で正社員の生涯賃金との差は1億5千万円以上にもなります。
フリーターから正社員を目指す理由に、このような収入・賃金の差をあげる人は多いでしょう。また、充実した社会保障や社会的な信用も正社員の大きな魅力です。
本特集では、フリーターから正社員を目指す人のために、正社員になるための3つの方法を紹介。履歴書の書き方や面接時の回答ポイントなどもわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
※1 総務省調べ ※2 大学卒男性の場合
フリーターから正社員になる方法 STEP1 正社員への3つの道
フリーターから正社員になる方法は3つに大別されます。それぞれ特徴があるので自分にあった方法を選択しましょう。
1.正社員求人へ応募する
転職サイトを利用し、企業の正社員求人に応募する方法です。他の方法と比較すると採用されるハードルは高くなりますが、内定を獲得できればすぐに正社員になれる点が大きな魅力です。正社員向けの求人を探す方法は様々ですが、フリーターや既卒に特化した就職サービスを利用すると、正社員へのハードルが低い求人を見つけやすくなります。また、本当に就職できるか不安が大きいという方は、就職エージェントを利用する方法もおすすめ。就職エージェントとは、担当カウンセラーに直接相談をし、自身の適性・希望にあわせて求人を紹介してもらうことができる無料の就職サービスです。「フリーター可」「既卒可」「未経験可」の求人を豊富に取り揃えた、フリーターに特化した就職エージェントも存在するため、フリーターから正社員を目指す方にとって心強い存在となるでしょう。
2.社員登用制度を利用してアルバイト・契約社員から正社員になる
アルバイトや契約社員として実績を積みながら、社員への登用を目指す方法です。アルバイト・契約社員からのスタートになるため、正社員枠での応募と比較すると採用の難易度は低くなります。面接では志望動機に加え、勤務時間やシフトについてなど勤務形態に関する質問も多いでしょう。正社員になるためには、アルバイト・契約社員期間の働きぶりや仕事で成果を上げることが最も重要になります。また、アルバイト・契約社員から正社員への登用実績が実際にあるかどうかも事前に確認しておきましょう。
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全国各地の求人を取り扱う大手アルバイト紹介サイト。求人が多く、社員登用制度ありの求人も多数掲載している。 | |
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3.紹介予定派遣から正社員になる
紹介予定派遣とは、派遣先企業で直接雇用されることを前提として働く派遣の形態です。一定期間派遣社員として働き、双方合意のもと直接雇用を結ぶことができます。事前に会社の仕事内容や雰囲気を確かめられるため、入社後のミスマッチが少ないというメリットがあります。ただし、「直接雇用」にはアルバイトや契約社員など非正規雇用も含まれるため、契約の内容を事前に確認するようにしましょう。
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リクルート・スタッフィング |
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人材業界最大手のリクルートが運営する派遣サイト。その人脈とノウハウを駆使し、幅広い求人を取り扱う。紹介予定派遣を豊富に取り揃え、公開求人だけでも約800件を数える。保険料負担率が低い、無料の歯科検診を受けられるなど福利厚生が充実している点も大きな魅力。 | |
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アデコ |
求人数トップクラスの派遣サイト。紹介予定派遣に力を入れており、他サービスと比較しても求人数が多い。さらに専任の営業担当によるフォローやキャリアカウンセリングとの面談を無料で行うことができる。 |
Column公務員という選択肢
民間企業の正社員以外にも、正規雇用の公務員を目指すという選択肢もあります。応募条件は自治体によって異なりますが、年齢上限は20代後半~30代前半としている自治体が大部分を占めます。
公務員採用試験では、面接に加え学力試験もあるため、事前にしっかりとした準備が必要です。公務員試験にノウハウを持つ資格の予備校や通信講座を利用すると、より効率的に学習を進めることができます。
LEC 東京リーガルマインド |
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大手資格予備校の公務員講座。他の公務員講座には見られない「市役所」「心理・福祉系公務員」「高卒程度公務員」など豊富なコースがそろっている。講座は通学と通信から選べるため、時間がない人や近くに校舎がない人も便利。 |
東京アカデミー |
公務員、看護師、管理栄養士など国家試験に特化した予備校。公務員講座は大卒と高卒に別れており、通学・通信のどちらも可能。長年積み上げたノウハウを生かして、効果的な筆記試験対策・面接対策を行う。 |
フリーターから正社員になる方法 STEP2 履歴書でやる気をアピールする
正社員になる方法と志望企業が決まったら、応募するための履歴書を作成しましょう。アルバイトと同じ業種を志望する場合は、志望企業に興味を持った理由を、日頃のアルバイト業務と関連付けて伝える事で効果的なアピールができます。他業種を目指す場合も、志望先企業でアルバイト経験を活かせるポイントを見つけ出し、どのような貢献ができるのか、他業種に挑戦するに当たってどのような努力をしているかを具体的に伝えると良いでしょう。また効果的な方法のひとつに資格の取得があります。フリーター期間中に志望職種に関連する資格を取得していれば、やる気をアピールすることができます。
フリーターから正社員になる方法 STEP3 面接官の心をつかむ自己PR
履歴書が通過したら、次はいよいよ面接です。フリーターになった理由やアルバイトでの経験を聞かれたときに、どのように説明するかが合否の大きな鍵を握ります。
面接で気になるのは、面接官が応募者を評価するポイント。人材総合サービスリクナビNEXTがフリーター採用経験がある人事担当者に実施した調査によると、「経験」や「コミュニケーションスキル」を抑えて最も評価されていたのは「やる気」でした。熱意を伝えることを第一に、面接で良く聞かれる下記の質問に対してしっかり回答を準備しましょう。
なぜ就職せずにフリーターになったのですか?
ケース1:夢を追いかけていた
このケースでは「ミュージシャンを目指していた」「1年かけてアメリカ横断していた」など、卒業後に別のことに没頭していた例が挙げられます。何かに熱意を注いでいたという経験は、それだけ1つのものに没頭できるという長所。夢を追っていた期間の経験を踏まえて、正社員を目指す理由を練り上げましょう。また、特にこのケースでは、今まで没頭してきたものと関連する業界・職種を志望したとき力を発揮します。例えば、「ミュージシャンを目指している間に、御社の良質な音楽機器に感動を覚えた。残念ながら音楽を作り出す才能は自分にはなかったが、これからは御社の最高級の音楽機器を通して、最高の音楽を届けることに熱意を注ぎたい」というようにアピールできれば、フリーター期間の経験も踏まえ、やる気・熱意を伝えられるでしょう。
ケース2:就職活動で内定をもらえなかった
新卒として就活をしていて内定がもらえず卒業し、フリーターをしているというケースです。採用担当者は応募者が内定に至らなかった理由として、コミュニケーション能力や熱意が足りていない可能性を考えます。それを払拭するために内定に至らなかった理由を自己分析し、努力を重ねて改善したということを強くアピールしましょう。
ケース3:なんとなくフリーターになった
そのまま答えてしまうと間違いなく採用担当者に悪印象を与えてしまいます。「自分に向いている仕事がわからず、それを見つけるためにアルバイトを選択した」というように、あくまで自分の意志でフリーターを選んだことを伝えましょう。そして、その考えは甘かったと断った上で、アルバイト経験があったからこそ今やりたいことが見つかり、目標を持って志望企業で働いていけるとアピールしましょう。このようにすればアルバイト期間を価値ある経験として捉えてもらうことができるでしょう。
自己PRをお願いします。
自己PRは面接で定番の質問ですが、何をどうやって話せばいいのか分からない人もたくさんいるでしょう。自己PRではただ「やる気があります」と伝えるのではなく、その根拠となるエピソードやストーリーが必要です。
アルバイト期間の成果や気づきを元に企業に興味を持ったきっかけや強い動機を語りましょう。更に入社してから、これまでのアルバイト経験や、そこで培ったスキルをもとに何ができるか、何をしたいかというところまで練りこみます。
「フリーターから正社員になるのは難しい」というイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、2011年の厚生労働省のデータでは、フリーター期間が半年の場合、男性の約7割、女性の約6割が正社員の就職を成功させています。また、フリーター歴が3年を越える場合は男性が約6割、女性が約4割まで減少するものの、男女合わせて約半数の人が正社員の職を掴んでいるのです。
「必ず正社員になる」という強い気持ちを持って、諦めずに取り組めば必ず正社員への道は開けます。正社員としての就業を考えている方は、まずはその第一歩を踏み出しましょう。
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