
SE・プログラマーになるには? -未経験からのITエンジニアの目指しかた-
20代の既卒・第二新卒向けに、高収入で人気のITエンジニアを目指す方法を解説。
IT業界を支える技術職「ITエンジニア」とは?
ITエンジニアは、インターネットやコンピュータなど情報処理やデータ通信に関連した技術職の総称です。代表的な職種はプログラマーやSE(システム・エンジニア)など。
社会や生活になくてはならないインターネットやコンピュータに関わる仕事のため、IT業界は常に人材不足です。高い専門技術を持った人材はもちろん、ITに興味を持つ既卒や第二新卒など、ポテンシャルの高い未経験者の採用が幅広く行われています。
専門性の高い技術職だけに年収も高め。2016年のITエンジニアの平均年収は440万~630万円と、一般職や販売・サービス職よりも、おおよそ100万円程度、高い水準にあります。
- STEP1ITエンジニアの仕事内容
- STEP2未経験からITエンジニアを目指すには?
- STEP3ITエンジニアを目指す場合の学習ツールは?
ITエンジニアの仕事内容
ITエンジニアの代表的な職種には、以下のようなものがあります。
- プログラマー
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プログラマーは、プログラミング言語を使い、コンピュータやインターネットを操作するためのプログラムを仕様書や設計書にそって構築します。プログラマーには主に以下のような専門分野があります。
- Web・・・PCやスマートフォンのブラウザ上に表示され、動作するプログラムを構築。ホームページやWebサイトなども含まれる。
- ソフトウエア(アプリケーション)・・・WindowsやMacOS、iOSやAndroidなど、OS(オペレーティング・システム)上で動作するプログラムを構築。スマホアプリの開発の仕事などが代表的。
- ハードウェア(組み込み)・・・PCや周辺機器、その他機械を動かすためのプログラムを構築。自動車や家電など、その分野はかなり幅広い。
プログラマーに必要とされるのは、仕様書や設計書で求められる動作を実現するために欠かせない言語の知識と応用力です。どのような開発を行うかによって必要とされるプログラミング言語は様々。将来的には「開発(構築)系」エンジニアへと転職し、キャリアアップすることも可能です。
開発(構築)系
- SE(システム・エンジニア)
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SEは、コンピュータやネットワーク、インターネットなどを使用した情報(データ)を処理するためのシステム開発を行います。データの保管先(サーバーやデーターベース)、データの伝送手段(ネットワークやインターネット)などの環境仕様を決定し、それらを操作するためのプログラムを設計するのがSEの仕事。プログラムの仕様書や設計書を作成し、プログラマーへ指示を行うこともSEの役目のひとつです。
SEは、システム開発の上流工程から関わるため、幅広い専門知識を必要とします。その経験を生かし、システム管理者やコンサルタントなどへのキャリアアップも期待できる職種です。
- Webエンジニア
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Webエンジニアは、Web環境上で動作するアプリケーションの開発を行います。クライアント(PC)でユーザーが使用するプログラムから、クライアントから送られてくる情報を保存・管理・制御するWebサーバーのプログラム設計までを担当。設計書を作成し、プログラマーへ指示を行うと同時に、Webデザイナーとの連携作業も必要となります。
Webエンジニアが開発するアプリケーションは、PC・スマートフォンなど様々なデバイスで使用されます。その知識や経験を活かして、ゲーム開発などエンターテイメント分野での活躍シーンも多くあります。
運用系
- 組込みエンジニア
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組込みエンジニアは、自動車や家電などの機械を制御するためのシステム開発を行います。プログラミングの知識に加え、それぞれの組み込み製品に応じた工学や力学などの知識も必要。高度な専門性が求められるため、仕様の決定から設計、プログラミングまでを一貫して担当することもあります。
組込みエンジニアの醍醐味は、幅広い業界に活躍の場があること。自動車や家電などのメーカー企業をはじめ、航空宇宙や鉄道、都市開発など、様々なフィールドで「ものづくり」に携わることができます。
- サーバーエンジニア
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サーバーエンジニアは、データを保管・制御しているサーバーを管理します。サーバーのOS、データーベースなどの「ミドルウェア」から、ログ解析やセキュリティツールなどの「ソフトウェア」までを日常的に監視。システム開発時にはSEと連携しながら、環境構築を行うこともあります。
サーバーエンジニアは、「運用保守」という重要な役目を持ちます。不具合や障害が発生した時には、一刻も早く復帰・復旧を行うための知識と判断力が求められ、それに見合う高収入が得られる仕事です。
- ネットワークエンジニア
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ネットワークエンジニアは、複数のクライアント(PC)やサーバー、プリンターなど周辺機器を接続するための知識を持ったエンジニアです。サーバーにメール配信やファイヤーウオールなどのサービスを設置し、それらを使用したデータや、クライアントとサーバー間の接続が切れないように監視します。システム開発時には、ルーターやケーブルなどの配線設計にも携わります。
ネットワークエンジニアには、ハードウェアからソフトウェア、通信プロトコルに至るまで幅広い知識が必要です。そのため、サーバーエンジニアやSEなど、キャリアップできる分野が広がります。
未経験からITエンジニアを目指すには?
未経験からITエンジニアになるには、まず目指しやすい職種を選び、実務で経験を積みながら専門領域を決めていくと良いでしょう。それにより、学ぶべき知識や経験すべき仕事が異なります。
「SE」を目指す場合
- まずはプログラミング言語の勉強をし、プログラマーになる
- システムインテグレーション系の企業や、一般企業の情報システム系の仕事に転職する
- サーバーやネットワークなどの知識を実務を通して学びつつ、システム開発に必要な技術を習得する
SEは、未経験採用枠であっても、プログラマーや他の関連エンジニア職の経験が必要とされます。
一方、プログラマーは未経験者の採用が比較的多い職種であり、就職先もシステム系の会社のみならず、一般企業などでも広く募集が行われています。実務経験がなくとも、知識と技術力をしっかり伝えることができれば、採用される確率は高いでしょう。
そこで、まずはプログラマーとして経験を積み、関連分野の知識を学んでステップアップしていくのがSEへの近道となります。(同様に、他のITエンジニア職においても、まったくの未経験者が採用されるケースは稀です。)
プログラミング言語には多くの種類があるため、目指す職種に必要な言語を選びましょう。SEを目指すのであれば、CやC++、JAVAなどが代表的。
また、ITエンジニアに必要な知識は、プログラミング言語だけはありません。転職後は、その他の必要な知識や経験を実務を通して学び、ITエンジニアとしての肩書に実力が伴うよう努力することも大切です。
ITエンジニアを目指す場合の学習ツールは?
ITエンジニアを目指すには、大きく分けて2種類の知識を習得する必要があります。ひとつはプログラミング言語などの「基礎的な知識」。もうひとつは基礎的な知識を実践で利用するための「応用する知識」です。「基礎的な知識」については独学でも十分習得できますが、「応用する知識」は考え方を学ぶ必要があります。指導を行ってくれるスクールや、実践的な情報を提供するWebサービスなどを利用すると良いでしょう。
ColumnITエンジニアの現場から・・・
ITエンジニアとして働くうえでもっとも大切なのは、常に最新の技術を学ぶことです。コンピュータや通信環境などは日々進化しており、それにあわせてプログラミングの調整等も必要になるためです。職場では最新技術に関する勉強会や意見交換のミーティングが定期的に行われています。
また、納期が厳密に決まっているため、納期直前は残業になることもしばしば。それだけに自分の関わったプログラムやシステムが狙い通りに動いたときの達成感はひとしおです。
女性も多く活躍していますが、残業などで勤務時間が変則的になることも多いため、主婦の方は家族のサポートがあると心強いでしょう。
また、「裁量労働制」を採用している企業が多く、出勤や就業時間を自由に決めて個人のペースで仕事をすることが重視されています。
まとめ
ITエンジニアは、スキルを身につければ就職先は多数あり、様々なキャリアアップが可能な職業です。既卒、第二新卒など20代で就職や転職を考えている方には、将来性のある選択肢と言えるでしょう。
興味のある方は、まず自身に適性があるのかを確認してみましょう。たとえば、ITエンジニア向けの学習サイトを利用したり、ITエンジニア専門の転職サイト等に相談をしてみるのもおすすめです。