
業界研究の方法
業界研究から就活をスタート。効果的な業界研究の方法は?
就活に業界研究が欠かせない3つの理由
業界研究は、就活を有利に進めるために欠かせない準備。なぜなら、以下の3つの効果を期待できるためです。
業界研究により期待できる3つの効果
- 1. 志望業界や志望企業の絞込みに役立つ
- 漠然としたイメージしか持っていなかった業界について正確な情報を得ることができれば、自分が働きたい業界・企業 を見つける上で、大きな助けとなります。
- 2. 志望動機や自己PRに大きな説得力が生まれる
- 業界研究で得たデータを基にした志望動機・自己PRは、主観的な意見だけではなく、客観的なデータを取り入れている分、説得力が増します。
- 3. 面接で採用担当者にアピールできる
- 業界の動向・展望は、面接の頻出質問事項。採用担当者は、業界に関する質問で、仕事に興味がない学生を振るいにかけています。また、業界の展望について自分なりに考えてきた姿勢を見せることができれば、熱意ある人物としてプラス評価を受けることができます。
業界研究は、働きたい業界が決まっている場合は、すぐにでも始めると良いでしょう。業界研究にしっかり時間をかけることができれば、その業界に関するトピックを深く掘り下げる事ができ、時間に余裕があればOB・OG訪問に出かけたりと様々な活動ができます。
まだ志望業界を決めていない人は、会社説明会が始まるまでに、様々な業界の情報を集めましょう。そして、志望業界を決めた上で、気になる業界の会社説明会に絞って参加すると効率的です。
様々な会社説明会に参加して、業界の話を実際に聞いた上で、志望の業界を絞り込んでいくのも一つの方法ですが、会社説明会への参加は時間・体力を要するので、先に志望業界を決めておく方法がおすすめです。
また、業界研究は一度やったら終わりとするのではなく、志望業界の最新ニュースについて常にアンテナを張り、情報をブラッシュアップする事が大切です。
業界研究の方法
- 01効果的な業界研究の方法
- 02業界研究のチェック項目
- 03まとめ
効果的な業界研究の方法
業界研究には2つのステップが存在します。
志望業界を決めるため、様々な業界を研究するのが最初のステップ。
その次に、気になる業界を見つけ、その業界について深く掘り下げるステップ。
それぞれのステップで、最適な業界研究の方法は異なります。
業界研究のステップ1:業界の概略を知る
本
業界研究に関する本は、様々な業界について網羅的に記されており、気になる業界を見つけるのに適しています。
欠点は、記事作成から出版までのタイムラグ。再編成が進んでいる業界は、グループ企業の統合や勢力図の変化などの情報が古い場合があります。
会社四季報 業界地図 2016年版(2015/8/28発売) | |
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東洋経済新報社が手がける企業情報を網羅した業界地図。 全161業界、3,500社を収録し、「ネット広告」「バイオベンチャー」など、話題の業界についても解説。 「業界地図 初歩の初歩」では初心者に向けて経済用語を解説しているため、就活生にもおすすめできる業界研究本となっている。 |
日経業界地図 2016年版(2015/8/28発売) | |
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日本経済新聞社の業界研究本。 179の業界・テーマ・企業グループと3,600社を収録。「年収と労働時間に見る業界の選び方」など、就活生に役立つコンテンツが収録されている。 紙の本を購入した人全員に電子書籍版をプレゼントしているため、スマホ・タブレットで読みたい人にもおすすめ。 |
就活ナビ
日経就職ナビ、マイナビ、リクナビでは、公式ページで業界研究に役立つコンテンツを掲載しています。業界の現状と展望、話題の用語などを無料で知ることができるので、就活スタート時期の業界研究として利用しやすいでしょう。
キャリタス2018 | |
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日経新聞社が協力するキャリタスの「業界MAP」では、全30業界における企業の勢力図や業界の現状・展望を解説。 各業界において、企業の実名を出しつつグループ関係や得意分野、売上高など掲載しており、他の就活ナビと一線を画す内容となっている。 2015年11月時点の内容という点には注意が必要だが、希望業界の俯瞰図をつかむことができる点は大きな魅力。 ページを読むためには無料の会員登録が必要。本格的に就活が始まる前に、登録しておくとよいだろう。 |
マイナビ2018 | |
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私たちの身の回りのモノに関わる業界について解説する「業界研究大図鑑HYPER」と、各業界の概要・現状を解説する「就活大百科キーワード1000」の2つを掲載。 特に就活大百科キーワードは、業界の基礎知識や業界用語を解説しており、業界の概要とトピックを学ぶのに適している。 |
リクナビ2018 | |
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リクナビでは、30業界の概要を簡単にまとめた「業界ナビ」を掲載。他の就活ナビと比較すると情報量が少ない。 |
業界研究のステップ2:1つの業界を掘り下げる
雑誌・新聞
業界全体の動向を把握したら、次は新聞や雑誌で情報を掘り下げ、最新の情報をキャッチアップすることが必要。
また、新聞社や出版社、TV局など、難易度の高い筆記試験を課す業界を目指している場合、時事問題のチェックは必須です。
志望業界はもちろん、その他の業界のトップニュースも確認しておきましょう。
日経ビジネス | |
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発行部数日本一のビジネス週刊誌。毎週月曜に発行しており、幅広い業界のトップニュース、話題を経済記者が総力を挙げて取材する。 日経ビジネスは学割料金で購読が可能。通常より7,000円以上安価な料金で、業界の最新ニュースをつかむことができる。 |
日本経済新聞 | |
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各業界の最新ニュースを掲載する経済新聞。経済の知識が乏しい学生には難解な部分もあるが、連載記事「経済教室」や「やさしい経済学」など、徐々に知識を蓄えていけるコンテンツを用意している。 おすすめは日経電子版の有料会員。スマホ・タブレットから無制限で記事を閲覧することができ、更に朝刊・夕刊の配信、記事保存、過去記事検索など豊富な機能が利用できる。 |
OB・OG訪問
業界研究においては、データだけでなく実際に働く人の声を聞くことも非常に大切。OB・OG訪問で実際にその業界で働いている先輩から話を聞いてみることをおすすめします。
現在業界が抱えている課題や、会社同士の関係性などはもちろん、どんな雰囲気の社員が多いか、どんな資格が将来必要となるかなど、データだけではわからない情報を集められれば、ライバルに大きな差をつけることができるでしょう。
ビズリーチ・キャンパス オススメ! | |
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大学の卒業生であるOB・OGと直接話をすることができるコミュニケーションサービス。現在は早稲田大学、東京工業大学などをはじめ全国12大学の学生にサービスを提供。OB・OG訪問をしたいけどつてがない…という人は、このサービスで社会人の先輩を探して本音を聞いてみてはいかがでしょう。 |
12大学の内訳: 早大 慶大 阪大 東大 京大 東工大 一橋大 名大 名工大 九大 九工大 理科大 |
業界研究MEMO(コラム)
特に1つの業界を掘り下げる際は、きちんとした情報ソースを選ぶことが大事です。採用担当者はその業界に関するプロ。間違った情報を話してしまったり、見当違いな分析をしてしまうと、マイナス評価につながります。2ちゃんねるなどインターネットの信憑性の低い情報より、多少手間がかかっても識者の意見を参考にした方が、有意義な業界研究となるでしょう。
業界研究のチェック項目
気になる業界が決まり、その業界について深く掘り下げる際は、チェックすべき項目を事前に決めた上で、対象となる企業を比較していくと、効率良く分析を行う事ができます。
また、下記の項目以外にも、海外展開や福利厚生など、個人的に重視する項目があればチェック項目に加えましょう。
業界研究でチェックすべき項目
業界の規模・特性
現在の市場規模、業界の収益源、主力商品など
業界の現状
市場規模の推移とその原因
業界の課題
業界が直面している課題とそれに対する対応策
業界の展望
将来的にどのように発展するか
業界のトップ企業と相関関係
業界のトップ企業とグループ企業の広がり、協力関係
業界分析例
業界の規模・特性 |
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業界の現状 |
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業界の課題 |
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業界の展望 |
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業界のトップ企業の顔ぶれと相関関係 |
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まとめ
特集「業界研究の方法」はいかがでしたでしょうか?
最後に1つ、就活生が陥りがちな失敗として、業界研究でデータを集めただけで満足してしまうということが挙げられます。
業界・企業のデータを集めたという努力はもちろん評価の対象となりますが、更に一段上を目指すためには、そのデータに対して自分なりの考えを述べることが大切。たとえその内容が拙くとも、物事に対して自分の意見をしっかり持ち、伝える事ができるいうことは「受身の姿勢ではなく、積極的に物事に取り組む事ができる人材」として評価される1つのポイントとなります。
一方で、自分の意見を述べる際は、謙虚な姿勢を持ち、相手の言葉に耳を傾ける姿勢を持つことも必要です。いくら業界研究を行ったとしても、就活生が持ち得る知識と、その業界のプロである採用担当者が有している知識には大きく差があるのが現実です。自信満々に見当違いの意見を伝えたり、自分の意見を強硬に主張してしまうと、逆効果となる可能性もあるので注意が必要です。
業界研究は志望する業界を絞り込むためのツールとして、また企業に対してしっかり研究を行った上で志望しているという事を伝えるための手段の一つとして、上手く活用すると良いでしょう。